目がくしゃくしゃで顔中ブツブツの出来物だらけのヨタヨタした今にも死にそうな猫を連れてきてさ、わたし驚いちゃってね。この猫は近所の家でご飯を貰っている猫なんだけどね。だからといって放って置く訳にも行かないじゃない。とにかく捕まえて病院へ連れていかなくちゃ。
でも捕まえようにもノラちゃんだからさ。死にそうでも「カーッ!」と威嚇するのよ。とりあえずご飯を上げて食べているスキに噛まれてもいいように軍手を嵌めて後ろから捕まえて暴れるのを強引にカゴに放り込んで病院へ連れて行ったのよ。
病院へ着いてから先生に暴れるから気をつけてと言っておそるおそるカゴを開けると、まったくこの猫はすっかり縮こまって大人しくなっちゃってされるがままなのよ。
顔のブツブツはカイセンなんだって。それも重症で片目はダメかもしれないなんて言われちゃってね。注射を打ち薬を貰って帰ってきたんだけど。
ウチの猫にうつったら大変なので、前にサクラが病気の時に買ったケージに入れて、寒くないように古毛布を半分に切ってそれを何枚も重ねてケージを覆ってクロちゃんのエサ台を占拠してそこにケージを置いて隔離して面倒をみているんだけど。
暴れるのは病院へ連れていくためにカゴに入れる時だけで、あとは大人しくて助かるんだけどウンコとシッコの世話が大変なのよ。ゴム手袋を嵌めて処理してもその都度手を洗い消毒しなくちゃならないし。面倒なこと。
元気になればいいけどね。
動きは鈍いけど食欲だけはスゴイから大丈夫だと思うんだけどね。
でもいくら食べてもガリガリでカイセンの他にどこか病気があるのかもね。
気は使うし、お金は使うし、ま、いずれにせよナニかの縁で我が家に辿りついた猫だからね。
ご飯をあげている家のヤツに「まったく、ご飯をあげているならしっかり面倒みれよ」と言いたいわ。
病気になったらしらん顔で。
これもボランティアだと思って面倒をみるしかないわね。