この間AXNミステリーで流れた《薔薇の名前》の一挙放送を録画しておき、ヒマな時に少しずつ見ていたのだが、(いっぺんに見ると刺激が強くてゼイゼイしてしまうので)(笑)
しかし長い作品で、すべて見るのに疲れてしまうわね。
AXNミステリー作品紹介より。
「このミステリーがすごい!」1991年海外編で1位を獲得!
全世界5500万部を超える、ウンベルト・エーコのベストセラー小説をドラマ化!
14世紀イタリアの修道院を舞台に、修道士とその弟子が奇妙な連続殺人事件の真相に迫る!
イタリアの記号学者ウンベルト・エーコが1980年に発表した、20世紀最大の問題作といわれる推理小説「薔薇の名前」初のテレビシリーズ!
ホームズのような観察眼と洞察力、そして豊富な知識を持つフランチェスコ会修道士のウィリアムと、元戦士でありながら心優しく繊細な見習修道士のアドソが、北イタリアの人里離れた修道院で発生する奇妙な連続怪死事件に巻き込まれる。
殺人事件の真相を解明する二人に待ち受ける結末とは…?
人里離れた修道院で起こる連続殺人事件。
暗くおどろおどろしい雰囲気の中で、そろりそろりと展開していく。
ゾクゾクするような得体のしれない恐怖。
黙示録をなぞるように殺人は繰り返される。
笑うことを禁じられた世界で、狂信的な一人の男によって、引き起こされた事件。
私は殺していない。
彼らはこの書物への好奇心から大きな犠牲を払ったのだ。
熱心に、貪欲に。
逸るこころで指を舐めページをめくり毒を口に入れた。
本への好奇心にかられ、皆それぞれの罪と運命によって死んだのだ。
男の禁じた一冊の本。
アリストテレスの「詩学」第2部。
笑いの価値を説いた本である。
笑いはキリスト教が積み上げてきた知識の一部を破壊する。
良きものを笑ってはいけない。
笑いは沐浴と同様良薬である。
体液の割合が整えられる。
だが、笑いはからだをゆさぶり、顔の表情を歪めて人間を猿のごとき存在にする。
再び神のご遺志が笑われたら止めるすべはない。
ここでは中世の生々しい現実をも見せてくれる。
男色。
異端審問。
魔女狩り。
暗い洞窟に奇怪な虫たちがゴソゴソうごめいているような、こういう複雑怪奇な映像を集中して見せられると、目も心も疲れアタマが痛くなるが。
でも確かに良い作品でした。
タイトルバックに流れる厳かな奥行のある音楽。
迷宮に誘われるような心地よい深い音。
素晴らしくて、そのままず~っと聴いていたかった。