このドラマの男はもう立派な初老の男なのに、どこまでも自分の老いを認められず、老いに抗うの。
髪を染め、化粧してまでも、若い娘とまだまだ恋愛ゲームを楽しみたい。
若作りをして若い女の子を物で釣ろうとするが、アナタはまだ若いと思い込んでいるが、50歳近いオジサンじゃないの!と冷たく突き放されてしまう。
独占欲が強く暴力的で、そのくせ妻が別れを切り出すと見捨てないでと縋り付く。
愛人にも別れを切り出されると、一緒に死んでくれと刃物を振りかざす。
どうしてこうなっちゃったんだろうなあ。
どこで間違えたんだろうなあと泣きじゃくる男。
でもこういう女々しい男を夫や愛人に持つと、うっとおしくなり男の相手をしているのが辛くなってくるわね。
男から逃げたいというのが妻と愛人の共通した思い。
そこで夫の始末を考える。
なんか見ていて、シンミリしちゃったわ。
哀しみがわかるものね。
でもなあ、男がコウではやりきれないわね。
ラストで妻が刑事と交わすことばが、沁みるわね。
忍び寄る老いを恐れ、うまくいかない事は、すべてそのせいにして。
若ささえ取り戻せば、また思い通りの人生が戻ってくる。そう思いたかったのでしょう。
刑事:奥さんの心情は理解できなくはない。
でも罪は罪ですから、償わなければならない。
そうですね。
でもやっぱりあの人の為には良かったと今でも思っています。
化粧した自分にうっとりするのも、もう限界でした。
どんなことをしても、老いはごまかせなくなっていました。
だから時間を止めてあげて良かったと思っています。